大事なもの 2020.2.17

昨晩お風呂に入っているとマンション内の火災警報が鳴りました。
焦って急いで階下に避難しましたが、消防車や警察の方が来たものの結局誤報とのことでした。
火事といえば、ロシアでの留学生活中に住んでいたアパートに隣接していたレストランが火事になったことがありました。
その日私は外国から帰ってきたばかりで、部屋でほっと一息ついていました。
そこにドンドン!と何かをたたく音が聞こえ扉を開けると隣の部屋のお姉さんが焦った面持ちで立っていました。
「よく聞いて、隣が火事なの、今すぐ大事なドキュメント…あなたの場合はパスポートとかかしら、とにかく持ってすぐに逃げて」と言いいなくなりました。
私は何が起きているか分からず混乱したまま、それでも「大事なもの」という響きが頭に残ってしまい、大事なもの大事なもの…とパスポートや時計やパソコンや書類やお金をリュックに詰め込んでいました。すると思いのほか時間が経ってしまったんです。
部屋を出るとシェアハウスの住人の影はなく、焦って階段に出ると階段はすでに3階までもくもくとした白い煙で覆われていました。
あぁ逃げ遅れた、大事なものを考えすぎて逃げ遅れて本当にばかだった、と生きた心地がしなくてとても後悔しました。
結局外に出ると日差しが明るくて、たくさんの人がいて、私を見つけるとシェハウスの人たちが手招きしてくれて一緒に鎮火するのを見守りました。
ちょっとした火事、ということで終わっていて結局何事もなかったのですが、あの時、次回火事に遭遇したら、絶対にとりあえず逃げようと心に決めました。

結局昨日の火事も誤報で何ともありませんでしたが、それでも最小限の大事なものだけ考えて、すぐに逃げることが出来たので、そこは前回のことを生かせたかのかなと思いました。
大事なものって、一体何なのか、すぐに出てくる人間でありたいものだ、と思います。